※メインストーリー※


−STORY−
「ついに、完成したのだ、奴を超える存在が…」
無数にある人が一人入るカプセルの前で、白衣の老人が笑っていた
ここは、秘密結社NESTSの残党達が、密かに建てた施設…
「さぁ、目覚めるのだ、私の最高傑作よ…!」
カプセルについているスイッチを押すと、カプセルが開いていく、
その中には、眠る青年の姿があった、青年は、静かにその目を開けた
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「ここは…?」
「ついに目覚めたな…私の最高傑作よ…!」
「…あ…?」
(なんだこのジジィは…なんで笑顔で俺を見てるんだ…気持ち悪ィ…)
(つかどこだココは、俺は…、俺は……誰だ…?)
「気分はどうかな?KILL」
「KILL?」
「そう、KILL、それがお前の名前だよ…お前は奴を、K'殺すために生まれたのだ…だからKILLなのだ…」
「ケイ…ダッシュ?」
(誰だ…ケイダッシュ?)
「お前の元となった男だ、お前は奴の細胞から作り出したクローン人間、そこに私が改良手術を行い…」
(元になった…?クローン…?何を言ってるんだこのジジィ…)
そしてKILLはあたりを見渡す、するとそこには無数のカプセルが、そしてその中には人が入っている…
カプセルに映る自分の顔と、無数のカプセルに入っている彼らはみな、自分の顔と瓜二つであった
「俺……?」
「ああ、こいつらはもはやゴミだ、お前が完成し、そして目覚めた今、こいつらは後で処分するさ」
「……な…」
「さぁ、お前はこれから我らNESTSのため働いてもらうぞ、その命尽きるまでな、まずはあの裏切り者の処分から先だ…」
「フザけんな…」
「何?」
自分の存在、そして無数にある自分と同じ顔の人間を見て、KILLは大きなショックを受けた、それと同時に
体のそこから、熱い…怒りがこみあげてくる…
「好き勝手言いやがって…誰がテメェの、いいなりになるかよ!」
「なんだと、うわぁぁあ!!」
KILLの両腕のグローブから、熱い怒りの炎が吹き出す、周りは一瞬で炎に包まれた
「うわぁああああああ!た、助け!助けてくれェェェ死にたく、死にたくないィィ………」
KILLを生み出したその老人は、その炎に飲まれ、焼け焦げた
「クソが…まだ終わらねえぞ…ココを、燃やし尽くすまで気がすまねえ!!」
カプセルから出たKILLは、自分が生まれた施設を、容赦なく破壊していく…
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施設に警報が鳴り響く、そして武装した兵士達がKILLを発見した
「例のクローンだ!殺せ!」「好き放題やりやがって!この人形野郎が!」
兵士たちはその銃で、KILLへの攻撃を開始する
「ウザってぇんだよ…燃えとけぇッ!」
地を這う炎が兵士たちを襲う、兵士たちは次々とKILLに燃やされていく…
「クソ…!あの爺さん…とんでもない兵器を作りやがった…!」
「兵器だと…!?俺は俺だ…人形でも兵器でもねえ!」
その兵士の言葉が再びKILLの怒りにふれ、KILLのグローブから炎が吹き出す
兵士たちはむなしく、焼け焦げていった
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施設を破壊していく最中、
KILLが壁を壊すと一つの部屋につながっていた、そこには二つのカプセルが置いてあった
自分の眠っていたカプセルとは違うカプセルであった…
カプセルには一つには少女が、一つには少年が眠っていた
二人は同じ顔をしていた…双子…?
「こいつらも、俺と同じ…作られた存在なのか……クソったれ…!」
カプセルには文字が刻まれている、一つには「ICE」一つには「KANE」と…
「これは、コイツらの名前か?待ってろ、今出してやる…こんなとこ早いとこぶっ壊して…俺達は自由になるんだ…」
あの老人がKILLを目覚めさせた時にはカプセルにスイッチがついていた、どこかにスイッチがあるはずと
KILLはカプセルを開けるスイッチを探すが見つからなかった…
「どこだ…どこにある…」
スイッチを探す最中、外から足音が近づいてくる…
「いたぞ!クローンだ!!」
「チィ…見つかったか!」
兵士たちは手に持った銃でKILLへの攻撃を開始した
その銃弾が一つのカプセルに当たる、少女が眠っていたカプセルが、開いていく
「お、おい…あのカプセルは…」「…間違いないぞ、ココはあの部屋じゃないか…」
カプセルの中から、白く冷たい冷気を放つ少女が、ゆっくりと出てくる…
「ひ、ヒィ!」「め、目覚めちまった…まだ洗脳途中なんだろ!」
(なんだ…?コイツらの慌てかた尋常じゃねえぞ…なんなんだこのガキは…)
「……………」
少女はゆっくりと、ゆっくりと、歩き始める…
「いや、落ち着け…洗脳途中であっても、やつはまだ未完成だ…俺達で止めることぐら」
彼が言葉を言い終わる前に、彼の動きが止まる、彼は全身、凍りついていた
それは、少女が彼に触った、その瞬間であった
「う、うわああああ!!」
「に、逃げろ!勝てるわけがな」
そして、次々と、次々と兵士たちは凍っていく…
「………なんてガキだ…コイツ…」
「………」
兵士たちを凍らせた少女が、ゆっくりとKILLの方へ振り返る
「…なんだ?次は俺か?ガキ…」
「………」
だが、少女は再び目を閉じた、それと同時に、少女は、その場に倒れてしまった
「おい、お前…!」
KILLが少女を抱き上げる、その体は、まるで死んでいるかのように、冷たかった
「…いや、まだ生きてるだろ…死んじゃいねえだろ?おい!ガキ!!」
自分を助けてくれたのかどうかは定かではない、しかし、結果的に、KILLの命は
その少女に救われた、KILLは少女を放っておくことはできなかった
しかしそこへ
「貴様!見つけたぞ裏切り者のクローンめ…な、貴様!そのカプセルを開けたのか!!」
「ち…!次から次へと!」
KILLはもう一つのカプセルを開けようとするも、やはりスイッチのようなものは無かった
KILLへの激しい攻撃が続く、KILLは仕方なく、そのカプセルの少年を置いて、その場を去るのであった
(すまねぇ…テメェを救うことができなかった…!!)
KILLは、その少女だけても助けようと、施設から脱出…そして、闇へと消えていくのであった…
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あれから数ヶ月がたった…KILLはとある街の廃墟のビルで生活していた
あの少女、ICEと共に
「ねえKILL!なに空なんか見てるの?考え事?」
窓から空を見ていたKILLの後ろから、ICEが抱きついてきた
「ICE…あぁ、少し前のことを思い出してたんだよ…」
「前のこと?何それ〜」
「あぁ、そうか、テメェはあの時の記憶が、なくなっちまってたんだっけな…」
「あの時?」
ICEは、再び目覚めたあと、記憶を失っていた…自分が何者なのか、
何をしていたのかなど、すべて忘れていた
「なんでもねえ、忘れろ……そうか、そろそろ朝飯の時間だな…エッグトースト食うか?」
「わぁい!でも毎日エッグトーストってのもなぁ…」
「簡単だからいいだろうが」
「んーまぁいいけどさ、KILLの作ってくれるエッグトースト美味しいから大好きだし…
 でも、私としてはたまには別の料理も食べてみたいなぁってね」
「っせーな、文句ばっか言ってたらやらねえぞ、朝飯」
「はーい」
(ちッめんどくせえガキを拾っちまったもんだぜ…でも、ま、悪くねえかもな…こういうのもよ)
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それからまた数日後の朝、KILLが眠りから目を覚ますと、ICEの姿がなかった
「ICE…?おい、どこだ…?ん?」
KILLがボロボロの机の上に、一つのメモを見つけた
そこにはICEの文字で

※KILLへ、ちょっと外に出てきます、それとお金ちょっと持ってくね、
 帰ってきたらKILLをビックリさせる予定!待っててね!※

と書かれていた
「ビックリだと…?なに企んでやがるあのガキ…」
そのメモを見終えて、KILLはまた、眠りについた…
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夜、朝に出て行ったICEが、まだ帰ってきていなかった
「遅い…何やってんだあのガキは…」
流石に、帰りの遅いICEを心配したKILLは
彼女を探しに、外へと出る…
家の近くには居ない、街のどこかに居るのかと、KILLは街へ出ようとした…
その時であった
「見つけたぞ…裏切り者のクローン…」
後ろから声が聞こえた、若い声…少年の声だった
自分のことを、裏切り者のクローンと呼んだ、KILLは、その少年が
あの施設の者であるとすぐに分かった
KILLは後ろを振り向く…
「…な!!て、テメェは…!」
その少年の顔を、KILLは知っていた、あの時、あのカプセルの中で眠っていた、
ICEと同じ顔をしたあの少年、KANEであった…
「どうして…テメェが…!」
「貴様の命は、ここで終わりだ」
そう言うと、目の前から少年が消えた…一瞬だった
そう、消えたと思った次の瞬間、腹部に強烈な一撃を喰らった
「ぐッ!」
「遅すぎる」
少年は次々とKILLに連撃を食らわせる、KILLは防御することもできず、
攻撃を喰らい続ける…
そして、次の強烈な一撃で、KILLは廃墟の壁へと吹っ飛ばされた
壁が壊れ、そのままKILLは廃墟の中へ…
「く、ぐ…な、なんて奴だ…」
何も見えなかった、自分が少年の顔をみて驚いてスキを作ってしまったのもあるかもしれない
だが、それ以上に、目で追うことすらできない、少年の速さに、
KILLは何もすることができなかったのだ
「その程度か、所詮クローン…ゴミだな」
仰向けに倒れるKILLの腹部を勢いよく、少年が踏みつける
「ぐはぁッ!な、ゴミだと…テメェこのクソガキ…!言わせておけば…」
「貴様がその程度なのだ…もうひとりの裏切り者も、今頃は…」
「な、なんだと…まさか…!!ICE…!?テメェ!アイツに何し…ぐは!」
KILLが言葉を言い終わる前に、少年は再度腹部を勢いよく踏みつける
「ゴミがしゃべるな…」
「…こ、んの…クソ…ガキ…が…ッッ!」
KILLは、苦しさからうまく声を出せなくなっていた
「殺す前に、そのもうひとりの方のことも教えておいてやろう、今頃、俺の仲間が、
 処分し終えているころだろうさ…」
「クソ…ち、チクショウ……I…CE…!」
「お前も、すぐにあの女のもとへ送ってやる、感謝するんだな」
そう言うと、少年の右手から炎が吹き出す…
「俺の炎で、燃え尽きろ…裏切り者のクローン…」
絶体絶命かと思われた、その時だった
「そうはさせない!!」
また若い、少年の声が聞こえてきた…
「なに?う、うわあ!」
KILLを殺そうとしたKANEへ、炎が襲いかかる
KANEはたまらずKILLから離れ、KILLの身は自由になり、KILLは立ち上がる
「な、なんだ!一体何が…!」
「逃げて!アナタはまだ、ここで死んじゃいけないんだ!」
炎の中から、KANEとは別の少年の影が、KILLへと言い放つ
「なんだと、テメェは一体!」
「動けるんでしょ!なら速く逃げて!姉さ…ICEがきっとあなたを探してるから!」
「なんだと…!ち…誰だか知らねえが…!すまねえ!」
KILLは、ICEの名を聞くと、その場をあとにした
「ま、待て!貴様…一体なにもの…なっ!」
「お前の相手は、この僕だ!KANE!!」
その少年の顔をみて、KANEは驚きを隠せなかった
「俺と…同じ顔……!?俺の…クローンだと!?」
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KILLは、その廃墟を後にした…
あの少年の声が言うには、ICEはKILLを探しているらしい
ならば家へと戻ってきているはずと思い、KILLは家へと急いだ
そして、家の前で泣く少女の姿を見つけた、ICEだった、服はボロボロで、体にもキズが見えた
「ICE!!」
「あ…キ、KILL!!KILLゥ!」
少女が泣きながら、KILLへと抱きついた
「無事だったんだな、よかった…よかった…!」
「それはこっちのセリフだよ!バカ!死んじゃったんじゃないかって!思ったんだから!!」
「俺が死ぬかよ……」
「KILLぅぅ…うえええええん…!」
泣きわめくICE、KILLはICEの頭を、やさしく撫でてやった
ICEの涙が止まったところで、
そっと体から離すと、KILLはICEが、何かビニール袋を持っているのに気づいた
「ICE、なんだそれは」
「あ…こ、これ…うぅ」
KILLはアイスから袋をとる、中を見てみると、グチャグチャになった白い箱…中からクリームのようなものがみえる
「あのね、この前ね、街でコレ見つけて…お店の人から、「おいしいよ」って食べさせてもらったの…
 そしたらね、すごく甘くて美味しかったんだ…ケーキって言うんだけどさ…
 KILLにも食べさせてあげたいって思って、どうせなら内緒で買って…KILLを…ビックリ…させてね…
 KILLに…喜んでもらえたらなって…思ってたのにね…ごめんね…こんなになっちゃったんだ、ごめんね、ごめんなさい…」
一度泣き止んだICEの目から、またも大粒の涙がこぼれ始めた
自分のために、こんなになってまでコレをはなさず、ここまで持ってきたのかと思うと、
KILLは、今まで体験したことがない、感情が溢れてきた…
KILLは、優しく、そして強くICEを抱きしめた
「KILL…??」
KILLは自分の顔を見られたくなかったのだ
「ばかやろうが…」
自分の泣き顔なんて、見せたくなかった
「ありがとうよ…ICE…」
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「お前も襲われてたんだな…NESTSに」
「うん…すっごい怖い人でさ
 お前を殺してやるぅーひゃあっはっはっは!ってすっごいウルサイ笑い声で…」
二人は落ち着いたあと、家へ戻った
KILLは、ICEの身に何が起きたのかを聞いていた…
「腕が伸びてきて…すっごい動き早くて…気持ち悪かった…ゴキブリみたいだった」
「そいつはどうした?」
「うん、助けてもらったんだ、あの子に…」
「あの子?」
「うん、私の弟なんだよ…あ…」
「弟?お前の??」
ICEは手を口にあてる、言っちゃったと言わんばかりの表情であった
「お前…」
「うん…私ね、あの子の顔見て少しだけどさ、思い出したの…自分のこと
 でね?あの子、私の弟なんだ、名前は、KANEって言うんだ」
「アイツとお前は姉弟だったのか、そりゃそうか、同じ顔してるしな」
「うん、双子の弟なの…すごく優しい子でね、でも、すごく泣き虫な子なんだ
 いつも私が助けてあげてたのに、今度は逆だった、私があの子に助けられちゃったんだ、へへ」
「そうか…いや…まて、助けられただと?そいつに?」
「え?うん…」
「俺は…そいつに襲われたんだがな」
「え!?」
KILLは、自分に起きたことをアイスに話はじめた
「信じられないよ、KANEがそんなことするはずない!」
「事実は事実だ、あのやろうの強さは、尋常じゃねえ…」
「嘘だよそんなの!私はKANEにKILLを見つけて助けてあげてって言ったもん!」
「しかしだな…ん?」
KILLは、KANEに襲われている時、もうひとりの少年が自分を助けてくれたことを思い出した
姿や、顔を確認することはできなかったが、もしかしたら…
「そういうことなのか…?」
「??」
話をしていたその時だった、『ドンッ』と、
玄関から物音がしたのだ…
二人は立ち上がる
「ICE、テメエはここにいろ」
小さい声でICEにささやく
「でも…!」
「言うことを聞け…!いいな」
「……」
KILLはひとり、玄関へと近づく
ICEも、言うことを聞かずこっそりとキルについていった
玄関には誰もいない、外からか?とKILLはゆっくりとドアをあけた
「ああッ!」
「こいつ…!」
ドアを開けると、ボロボロになりそこで倒れる
あの少年、KANEの姿があった
「け、KANE!!」
「おいコラ!バカみたいにそいつに近づくんじゃねえ!」
「何言ってるの!ボロボロなんだよ!!助けてあげなきゃ!!」
KILLの言うことを無視し、ICEは部屋へとKANEをはこんだ
「ったく!本当にめんどくせえガキだ…どうなっても知らんぞ…」
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「ん…」
少年はゆっくりと目をあけた
「あ!気がついた…!」
「ね、姉さん…そ、それにアナタは…よかった、無事に逃げれたんですね…」
「逃げれた…?やっぱテメエは、俺を助けた…アイツなのか…」
「ほら!KILLだってわかったでしょ?KANEが悪い子のわけないじゃん、ほんとバカだねー」
「んだとこのガキ…調子にのりやがって…」
「いえ…KILL…さんの言ってることも、あたってますよ…」
「…え!?何言ってるの?KANE…?」
KANEの言葉に、ICEは信じられない、と言わんばかりの表情でKANEを見つめる、
KILLは自分の考えていたことを、KANEに話す
「それは、アレだな、もう一人のテメエのことか?」
「はい…」
「もうひとりのKANE??ど、どういうこと??」
「ごめん姉さん…今の僕は、僕じゃないんだ…」
「……??」
ICEはKANEの言っていることが理解できなかった 自分の目の前にいるのは、間違いなく自分の知っているKANEだと言うのに
KANEは何を言っているんだろうと…
「僕はね姉さん、あいつの…クローン人間なんだよ…」
「…え…!」
「クローンだと…!?お前が…お前の方が…か?」
「はい…僕は僕と姉さんに改造手術を施した男の手によって作られた、クローン人間なんです」
「嘘、そんな、嘘だよ…KANEはKANEでしょ?違うの…?」
「姉さん、僕は所詮クローン…あいつの洗脳される前の記憶を移植されたに過ぎないんだ」
「洗脳される前の記憶を移植…?」
「話せば長くなります…安心してください僕はあなたたちの敵じゃないですから…僕は姉さんを守るために、
 作られた存在なんです…」
「KANE…」
「あ…!そうだ、ここにとどまってちゃダメです…!この場所はすでに、奴らに気づかれてます…
 ここにとどまってたら、いつ奴らに襲われるかわからない…早く移動しないと…」
CloneKANEが起き上がろうとする、しかし痛みからうまく起き上がることができない
「あ、ダメだよ無理しちゃ…大怪我してるんだから」
「ダメだよ…じっとなんてしてられないんだ…!僕は大丈夫だから…!」
「ダメ!お姉ちゃんのいうことは聞くの!弟なんだから!」
「僕はクローンだ…本当の弟なんかじゃ」
CloneKANEが言葉を言い終わる前に、ICEがCloneKANEをベッドに無理やり戻した
「バカ!その体は偽物でも…!それでも、中身は私のしってるKANEでしょ?だったらあなたは、
 私の大切な、弟なんだから!」
「…!ね、姉さん…あ、ありがとう…」
ICEの優しさに、CloneKANEは嬉しさから、少し涙が出てしまった
「あ!ご、ごめん、勢いで激しく押し倒しちゃったね…痛かった?」
「こ、これはそういう涙じゃ…ふふ、姉さん、かわらないね」
「何言ってんの、KANEだって全然変わってない…いや、変わっちゃったかな…」
「え?」
「かっこよくなったし、頼もしくなったもんね」
「う…」
二人が話し合う途中、KILLが部屋から出ようとしていた
「あ!KILL?どこ行くの?」
「外は俺が見張っておく…KANE、テメェのキズが癒えるまではここで休んでろ、いいな」
「そ、そんなことはできませんよ…!一刻も早くここを…」
「ここから出て行く必要はねえ、ここは俺達の家だ…お前も含めてな」 「キ、KILLさん…」
「テメェらガキを守るのも、俺の仕事なんだよ」
「でも…」
「安心して、KANE、KILLってすっっっっごく強いんだから!今はKILLの言うことをちゃんと聞くの!ね?」
「わ、わかった…よ KILLさん、すみません」
「謝らなくていい、テメェは俺の命の恩人でもある、かしは返すさ
 しばらく二人で話し合ってるといい、安心してな」
「ありがとう…ございます」
そういうと、KILLは部屋から出た
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それから数日、今のところ、KILL達が潜む廃墟へのNESTSからの攻撃はなく、
CloneKANEの傷は完治した
「流石に改造手術は受けてるようだな…キズが治るのも早い」
「ここまで回復できたのも、KILLさんのおかげです…ありがとうございます」
「それでKILL、これからどうするの?」
「ああ、俺たちを襲ってきたあのクソ野郎共を放って置くわけには行かねえ…
 おいKANE、奴らの施設はまだ同じところに…?」
「おそらく…」
「なら話は早えな、俺を生み出した…あの施設に戻る
 今度こそ、俺の手ですべてを終わらせてやる…」
「ちがうよKILL、「俺達」でしょ?私も行くよ!」
「お前…」
「僕も行きます、お供させてください…それに姉さんを守るのが、僕の使命です」
「もちろんだよ!ね、KILL!」
「ああ…頼むぜKANE」
「はい!」

「行くか……俺たちの、自由を掴むために」

作られし者たちの、自由への戦いが、今始まる