※NESTS-ストーリー※


−NESTS-STORY−
「死ねやオラァ!このクソガキがァ!!」
「KAY!なにをする!!」
秘密結社、NESTSの残党の手により作られた二人の改造人間、KANEとKAY…
仲間同士である彼らが、何故か戦っていた
「なんの真似だ!KAY…!」
「ウルッセェんだよ!とぼけてんのかコラァ!あ?この裏切りモンがよお!!」
「裏切りだと!?」
「いいから死ねっつってんだよォ!!」
KAYの腕がのび、いきおいよくKANEを襲う
KANEはそれを回避し、
そしてKAYに高速で接近し、KAYの腹部を攻撃、KAIは壁へと吹っ飛んだ
「いてぇ…いてぇなァ?ヒヒヒ…やっちまったな…テメェ…殺してヤル…タダじゃすまさねェぞッ!!!」
「KAY、まさか貴様、俺に襲われたのか?」
「アアァぁあ!?そうだよテメェがイキナリよぉ!!
 俺があの女をヤッちまおうとした時にイキナリ襲ってきたんだよォ!!
 頭イカれちまったのかぁ?あああ?KANEちゃんよォォォォ!!!」
「…やはりな」
「なにさっきから一人納得してんだコラ?いいから俺に殺されろやァ!!」
KAYが再度KANEを攻撃するも、KANEは攻撃を避け、
KAYの動きを封じた
「離せやコラ!!」
「落ち着け、俺も俺に襲われたんだ」
「はぁぁぁ?やっぱ頭イカれちまったのかぁ?KANEちゃんよォ…」
「あとで詳しく話すさ、とにかくお互いに負傷している…今は一度戻るぞ…命令だ」
「??? わけがわからねえな…」
二人は、NESTS残党の施設へと戻っていった…
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とある公園、俺は一人立っていた。

しばらくすると、そこに一人の少女が、満面の笑みをうかべ、俺のもとへ走ってくる。
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「また、あの夢か」
KANEが「目覚めた」ころよく見ていた夢。
最近は見ていなかったのに、この頃、またよく見るようになった。
一体何故…KANEは考える
「あの女は一体…」
「ようやくお目覚めか?KANE」
ベッドの横から、男の声が聞こえてくる
「KAY…?一体なんのようだ」
「ボスからの命令だよ、お前を呼んで来いってな」
「…俺を…?わかった…」
KANEはベッドから起きて、自室を後にしようとした
「その前にKAY、お前に一つ頼みがある」
「ア?」
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ここは、今は無きNESTSと呼ばれる秘密結社の、残党達が密かに建てた施設である
KANEはこの組織により作られた改造人間
KANEは、まだ少年でありながら、この組織の幹部であった
「ようやく来たか、KANEよ」
巨大なモニターに、ひとりの老人の姿があった
この残党組織の現在のボスである
だがボスと言っても、すべてのNESTS残党を率いるボスというわけではない
未だ無数に存在しているであろうNESTS残党の一つの残党のボスでしかないのだ
「…俺をここに呼んだのは何故だ?」
ボスを睨みつけるKANE、その声には怒りが混じっている…
「き、貴様がクローンとあの改造人間の始末に失敗したのは、大目に見てやろう…」
「…」
「まずは、これを見るのだ」
モニターの画面が変わる、そこには一人の男の姿が映っていた、白と黒の髪、そして白いグローブが目立つ男だった
「…知らんな、誰だ」
「ネームレスという男だ、正式なコードネームは、確かЖ'(ジェープライム)だったか」
「ネームレス…」
「K'の遺伝子を持つ、強化人間の開発計画「プロジェクトЖ」の9999番目の実験体で、唯一の生き残りだ…」
モニターに映るその男、ネームレスは、NESTSの兵士たちと戦っていた、様々な形態に変形するグローブ、
そして、グローブを外すと、その腕から勢いよく吹き出す赤い炎で、兵士たちを倒していく…
「こいつの手により、我らの仲間の施設が壊滅…生き残った兵士により、この映像が送られてきたのだ」
「裏切り者、ということか」
「そうだ、この男を貴様の手で始末してきてほしいのだ、今、この男は次々と残党の施設を破壊しまわっている
 次に現れるであろう施設はここだ…貴様は先回りし、この男を始末するのだ…」
「…施設の人間は?」
「今、こちらにむかっている…」
「わかった…すぐにその施設へ向かう」
「頼んだぞ…KANEよ」
モニターの映像が消えた
「……ネームレス、か、面白い男だ…」
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とある施設に、一人の男の姿があった
白と黒の髪、そして白いグローブの目立つ男…ネームレスだ
「……ち、この施設…誰も居ないのか…俺の存在がバレたか…ふふ、当たり前だよな、あれだけ暴れたんだ…」
ネームレスは一人、その施設を歩いていた
「…せめて、残りの残党の居場所だけでもつかめれば…」
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随分と、残りの残党達の居場所の情報を探したが、
手がかりは見つからなかった…
コンピューターを調べでみたが、情報はすべて消去されていた
「……また最初からやり直しだよ、イゾルデ…」
ネームレスはグローブに手をあて、悲しい表情でグローブに語りかける
「だが…君をこんな姿にした、奴らを俺は許さない…かならず見つけ出し、一人のこらず俺の手で始末してやるからな…」
ネームレスがグローブを強く握った、その時だった
「なるほど、それが貴様がNESTS(俺たち)と戦う理由か」
後ろから、少年の声が聞こえてきた
「誰だ…」
「俺はKANE、お前が探す、NESTS残党の一人だよ…」
ネームレスは、このKANEと名乗る少年が普通の人間ではないとすぐに察した
「貴様…改造人間…だな」
ネームレスが戦闘態勢にはいる…KANEは変わらずその場に構えずに立っている
「俺を消しに来たか…だが、俺は死なない、復讐を果たすために…俺はこんなところで死ねない…」
「そうか、それなら俺を倒してみろ、ネームレス…いや、Ж'と呼ぶべきかな?」
「黙れ!!」
ネームレスが仕掛けた、だが、ネームレスの攻撃は空を切った
「な…!消えた…?」
ネームレスがKANEを探す…
「遅すぎる」
背後から声が聞こえてきた、慌てて背後を振り向く、しかしKANEの姿はなかった
「どこだ…どこに居る!!」
KANEを探すネームレスしかしどこにも、KANEの姿はない…
「…奴は…姿を消すことが出来るとでも言うのか…いや、そんなはずはない…まさか…」
「俺はここだよ、ネームレス…」
また背後から声が聞こえてきた、背後を振り向くと、ようやくKANEの姿を確認できた
「貴様!!」
ネームレスが再度攻撃を開始する、だが、その攻撃は、次々とよけられてしまう
「遅いな…映像でみたお前はもっと強く見えたんだがな…所詮映像なんてあてにならないか…」
「なめるなよ…!」
ネームレスはグローブに手を当てる、そして、グローブを外した
「打ち抜く!」
ネームレスの腕から、あの赤い炎が勢いよく吹き出す、その赤い炎がKANEを襲う
「く…!」
「逃がさん!」
ネームレスは、次々とその炎で攻撃を仕掛ける、KANEが避けようとするが…
「む…」
部屋は既に、ネームレスの赤い炎で燃えていた
「…やるな…俺の能力を知ったか?」
「貴様の力…高速移動…その凄まじい速さで移動し、俺を混乱させようとしていたんだろうが…
 これで貴様の足は封じたぞ…」
「…それで勝ったつもりとは、おめでたい男だな」
「なんだと!」
KANEは、右腕を高く上げる…
「な…」
「爆ぜろ」
KANEが勢いよく地面を叩く、すると、まるで大爆発のごとく、とてつもない威力の炎が、
ネームレスを襲った
「うわぁーッ!」
そしてその衝撃で、地面が壊れる…二人はそのまま落下していく
ネームレスが勢いよく、地面に叩きつけられた
「うぐ…あ!」
ネームレスはその一撃で大ダメージを受けた
起き上がろうとするが、体が言うことを聞かない
「動け…動け…まだだ…まだ死ねない…死ねないんだ…俺は…負ける…わけには…ッ」
「…終わったな、ネームレス」
KANEがゆっくりと、ネームレスに近づいていく、
「まだ…だ…この程度で…」
KANEのグローブから炎が出る…そして、止めをさそうとした、その時であった
ネームレスのグローブがドリルに変形し、KANEを襲ったのだ
「何ッ!?う!!」
突然のことで回避が遅れ、KANEは右腕を負傷した
「あぐ…!!く…!貴様…」
「イゾルデ…君が…守ってくれたのか……?」
ネームレスの体は動かなかった、しかし、そのグローブが、ネームレスの意思とは関係なく、ドリルへと変形し、
KANEを攻撃したのだ
「ち…忘れていた…そのグローブ…そういう力もあったか…」
ネームレスがゆっくりと立ち上がる…ボロボロになりながらも、彼は立ち上がる
「そうだな…イゾルデ…まだ終わっていない…」
「!!」
「力の…すべてを……」
ネームレスがグローブをはずす、そして天へと、その腕を伸ばす
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉ!!!!」
とてつもない威力の、赤き炎が、勢いよく吹き出す
「くぅ…!!」
その時、KANEは見た…一人の美しい少女の姿を……
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施設の医務室…
「ケ、KANE様、よろしいのですか、この男、我らを裏切った男ではないのですか?」
「お前が気にすることじゃない、さっさとこいつを手当するんだ」
KANEは、負傷し意識を失っていたネームレスを、
施設の医務室へと連れ帰ったのだ
「…」
「わ、わかりました、今、手当を…」
「どれくらいで完全に回復するんだ」
「そうですね、彼も改造人間ですし…手当をして1日もすれば」
「よし、頼んだぞ」
そしてKANEは医務室を後にした
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「説明してもらおうか…KANE」
巨大なモニターに、ひとりの老人の姿があった
この組織の現在のボスである
「何故だ、何故あの裏切り者を連れ帰った?」
「奴は戦力になると判断した、だから連れ帰った」
ボスは目に手をあて…体は怒りからか、震えていた…
「ワシはあの男を、始末しろといったはずだ…!貴様も、わかったと言っていたはず…!」
「俺はあの施設に移動することに対して「わかった」と言っただけだ、始末するとは言っていない」
「貴様ァ!!」
その場に居た兵士たちがKANEへ銃をむける
「…なんの真似だ?」
「なんの真似だだと!?それはワシの台詞だ!あの裏切り者を始末せず持ち帰れとは言っていない!
 奴が目覚めたらこの施設を攻撃しようとするはずだ!その貴様の勝手な行動に、ワシももう、
ガマンならん!!」
「…で?」
「これからワシの言うことを素直に聞くというのであれば、命だけは助けてやろう…
 だが!言うことを聞かず勝手な行動をとるというのであれば…!」
「…爺さん、あんた、ボケたか?」
「なんだと!!」
KANEは、右腕を高く上げる…そして
「爆ぜろ」
地面を勢いよく叩くと同時に、大爆発のごとく、とてつもない威力の炎が兵士たちを襲う
兵士たちは一瞬で、全員燃えてしまった
「き、貴様…!!」
「俺を殺そうとしても無駄だっていうのはわかっていたはずだろ…?」
「貴様…!その行動は我々を裏切るということでいいのだな…?」
「…貴様は何も分かっていないな」
「なんだと…!!」
「俺を裏切ったのは、貴様だ」
「な…!」
次の瞬間、ボスの胸を、何者かの腕が貫いた
モニターが赤く染まる
「えぇ…?な…??」
ボスは後ろを振り向く…一人の男が恐ろしい笑みを浮かべる
「使えねえクソジジィはもういらねえェんだよォこのボケがァ!ヒャァアッハッハッハ!!」
「KAY…よくやった」
「KANE…KAY…お前らは……」
「ふん、「我々は最強」だと?このゴミのような奴らしか居ないこの組織がか?
 嘘ばかり俺に言い続け、騙し続けて…そして、俺のクローンまでも作り…俺を始末しようとした…
 これは俺を裏切った…貴様への罰だ…ゴミめ」
「く、クローン…?…そんなの知らな」
そして、ボスは、KAYの手により、その体をバラバラに切り裂かれた…
「今、裏切り者の老いぼれは死んだ…この組織の新しいボスは、
 この俺だ…いいな?」
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「…う…」
ネームレスが目を開けると、そこは初めて見る医務室であった
「ここは一体…俺は…」
「俺がここに連れてきた」
少年の声が聞こえてきた、KANEだ
「…何故俺を助けたんだ…」
「お前を気に入った、それだけだ」
「…回復した俺が、これから、お前らの施設を破壊するとは考えなかったのか?」
「いや、お前はそんなことはしない、絶対にな」
KANEは自信に満ちた表情で言い放った
「…何を企んでいる…」
「貴様が俺達NESTSに協力してくれると言うのなら、貴様のその炎を、自由に使えるように改造してやる
 そうすれば、貴様はそのグローブなしでも、自由に炎を使いこなせるようになるんだ」
「…頼んじゃいない…俺はこのままでいい…」
「イゾルデが生き返るとしてもか?」
「な、なんだと!?」
その言葉を聞くと、ネームレスはベッドから飛び起きた
「貴様のことは調べた…そのグローブは、イゾルデという少女の力を利用し作られたことも、
 だが彼女の意思は、そのグローブで生きている、そのグローブから彼女の力を取り出し、別の肉体へ移植する…」
「そうすれば、彼女は生き返る…?」
「ああ、ただし条件がある」
「…お前らの仲間になれということか…」
「お前は断ることはできないはずだ…また彼女に会いたいだろ?」
「…く」
ネームレスは悩む、自分の大切な存在の命を奪い、このようなグローブに変えた組織に
また力をかすだなんて…
「ネームレス、今のNESTS(俺たち)はまだ弱い、確かに今のままじゃ俺の言ったことは実現できない…
 だがお前が俺たちに協力してくれさえすれば、お前の願いもいつか叶う時がくる…必ず
 お前の力が必要なんだ」
「……時間がかかってもいい…約束してくれ…彼女を蘇らせると」
「ああ、いずれ組織を拡大し、お前の夢を叶えてやる、約束する」
「…わかった…」
「感謝する、ネームレス」
そして再び、ネームレスはNESTSへと戻るのであった
もう一度、彼女の笑顔を見るために
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KANEが医務室から出ると、KAYの姿があった
「よくやってくれたな、KAY」
「マジ余裕すぎてヨぉ、ボスのあの死に顔と来たら最高だったぜ、ヒヒ…でぇ?これからどうすんだよ…」
「ますは優秀な人材を集める…そして組織を拡大し、再びNESTSを最強の組織に作り上げるのだ…
 しかしそれを実現するには、邪魔な奴らが居る…まずはそいつらの排除が先だ…」
「あの裏切り者のクローンと女だなァ?ヒヒヒ、イイぜぇ早くブッ殺してェ!!」
「そうだ、邪魔をする者は…すべて排除する…」
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「ヒヒヒ…調子に乗るのも今のうちだぜKANE…いつかテメェを殺して…俺がこの組織の
 新しいリーダーになってやるんだからな…!ヒヒ、ヒヒヒヒヒヒッッ」
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「イゾルデ…俺は戦い続ける、君にまた会えるその日まで…」
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それぞれの野望を実現するため、NESTSに作られし改造人間たちは、今、行動を開始した…